Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

海司と一緒に野菜の皮むきをして、手分けして野菜を切った。


知らなかったけど、海司ってすごく器用だ。


お母さんが何でもするから、何も出来ないのかと思いきや、そうでもないんだね。


私はあんまり上手じゃないから、ちょっと恥ずかしくなった。


海司はその他にも、鶏肉、しょうが、にんにく、トマトを上手に切っていた。


しばらくすると、海司が棚からスパイスを出して来た。


「なにこれー?初めて見るー。

ターメリックは聞いたことあるけど。

クミン?ガラム…マサラ?」


「えー?知らねーの?」


「普通、こんなの知らないんじゃないかなあ?」


「へぇー。そういうもんかね」


うー。


なんか私がバカみたいじゃん。


「えっ?ヨーグルトも使うんだ」


「そだよー」


すごいな、海司は。


私、キッチンにいる意味があるのかしら。


海司のテキパキとした仕事ぶりを見ていたら、リビングの扉が開いた。


「ただいまー」


海司のお父さんが帰って来たんだ。


もうそんな遅い時間なのね。


「女の子の靴があるから、誰のかと思ったら、花音ちゃんのだったんだね。

いらっしゃい。

あれ?どうしたの?カレー作ってるの?」


「あ、お邪魔してます。

あの、海司君にカレーの作り方、教わってました」


ぎこちなく挨拶をする海司。


「そうなんだね。
しっかり教わるといいよ。
海司はこう見えて料理がうまいから。

ところで、母さんは?買い物?」


あ…。


そうだ。


おじさんに説明しなくちゃ…。