慣れた手つきで電話をかけ始める海司。
「ほら」
トゥルルルッと音が鳴るとすぐに、受話器を手渡された。
「多分、ばあちゃんが出るから」
私はドキドキしながら、呼び出し音を聞いていた。
『もしもし』
電話が繋がった直後、少し掠れた優しい女性の声が私の耳に触れた。
「もしもし。おばあちゃん?」
『その声は、海司?』
「うん、海司だよ。
ね、ねぇ、おばあちゃん。
母さん、そっちにいるの?」
どうなんだろう?
ちゃんといるんだろうか。
『来てるよ。
ビックリしたよ。突然だったから』
実家にいるんだ。
良かった。
「あの…。母さんは元気なの?」
『うん。まぁ元気と言えば元気よ。
ちょっとゆっくりしたいって言ってる』
「おばあちゃん、どうして母さんは急にそっちに行ってしまったのかな。
ワケがわからないんだけど」
私のせいだったら、どうしたらいいの?
『んー。ちょっと疲れたんだって。
少しこっちでのんびりリフレッシュしたらそっちに戻るって言ってるから、海司は心配しなくていいよ。
おばあちゃんにまかせておきなさい」
「……おばあちゃん」
優しいおばあちゃんの声に、なんだか涙が出そうになった。
「母さんのことよろしくね」
『うん、大丈夫だよ。
お父さんと美空によろしくね』
「うん、じゃあね」
そう言って、私は受話器を置いた。
「ほら」
トゥルルルッと音が鳴るとすぐに、受話器を手渡された。
「多分、ばあちゃんが出るから」
私はドキドキしながら、呼び出し音を聞いていた。
『もしもし』
電話が繋がった直後、少し掠れた優しい女性の声が私の耳に触れた。
「もしもし。おばあちゃん?」
『その声は、海司?』
「うん、海司だよ。
ね、ねぇ、おばあちゃん。
母さん、そっちにいるの?」
どうなんだろう?
ちゃんといるんだろうか。
『来てるよ。
ビックリしたよ。突然だったから』
実家にいるんだ。
良かった。
「あの…。母さんは元気なの?」
『うん。まぁ元気と言えば元気よ。
ちょっとゆっくりしたいって言ってる』
「おばあちゃん、どうして母さんは急にそっちに行ってしまったのかな。
ワケがわからないんだけど」
私のせいだったら、どうしたらいいの?
『んー。ちょっと疲れたんだって。
少しこっちでのんびりリフレッシュしたらそっちに戻るって言ってるから、海司は心配しなくていいよ。
おばあちゃんにまかせておきなさい」
「……おばあちゃん」
優しいおばあちゃんの声に、なんだか涙が出そうになった。
「母さんのことよろしくね」
『うん、大丈夫だよ。
お父さんと美空によろしくね』
「うん、じゃあね」
そう言って、私は受話器を置いた。



