その時、カチャッとリビングのドアが開いた。


「あら、海司。帰ってたの?」


「あ、うん。ただいま」


「豆腐ドーナツ買ってあるんだけど、食べる?」


「うん」


海司のお母さん、普通に笑ってる。


こうして見ていると、全然そんなふうに見えないのに。


でも、さっきのすすり泣きは…。


やっぱりウツかもしれない。


海司はこのことを知っているのかな?


今は部活中だよね。


明日聞いてみよう。