学校までの道を、花音と歩く。


街路樹が赤、黄、茶色と、すっかり秋色になっている。


花音と入れ替わってから、季節がひとつ変わってしまった。


「実はさ、昨日サッカー部の石川に交際申し込まれた」


「えぇっ?」


目を見開く花音。


「石川君が?うそー!信じられない」


だろうな。


俺だって、信じられない。


「断ったんだけど、良かったか?」


「えっ?あ、あぁー。

いいよ。

だってもし付き合うとしたって、石川君と海司が付き合う事になるんでしょ?」


「おい。変なこと想像させるなよ」


「だって、そうじゃん」


まじ、気持ち悪い。


男と交際とか。


「石川君が私を好きで申し込んでくれたんだったら嬉しいけど、彼が好きになったのは、綺麗になった海司なんだもの。
私には関係ないわ」


「まぁ…そうだな」


花音の言う通りだ。