「おはよー、海司」


「おう、おはよ」


いつものように、エレベーターの前で俺になった花音と合流する俺。


「お前、体重増えてないだろうなー」


「増えてないわよ。増えようがないわよ。あの食生活じゃ」


ぷぅと頬を膨らます花音。


「どういう意味だよ」


「海司って肉とか食べないの?」


「うーん、あんま食わないかも」


「だから食卓にお肉が出て来ないのねー。

その代わり出てくるのは、野菜やら果物やら淡白なお魚やら。

あー、お肉が恋しいよう」


けっ。


知るかよ、んなもん。


「逆に俺は肉食わされまくってるよ。

お陰で少しは食えるようになったけどな」


「えーん。お母さんの手料理が恋しいよぉ~」


「俺の顔で泣くんじゃねーよ!」


「だってぇ…」


「お、エレベーター来たぞ」