Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

「かーいじっ」


また佐野君だ。


休憩時間のたびに、無邪気な笑顔で私のところへ飛んで来る佐野君。


嬉しいんだけど、そのたびに心臓が破裂しそうにドキドキして身が持たない。


ゲームの話とか、マンガの話とか、テレビ番組の話とか。


正直、言ってることが全くわからないし。


あーあ。


唯達と話したいなー。


私の姿の海司は女子の輪に入ってはいるけど、なんだかうわの空ね。


海司も会話についていけないんだろうな。


相当つまんないだろうね。


あっ!そうだ。


「け、恵介。ちょっと待っててくれる?」


「え?う、うん」


ちょっと戸惑い気味の佐野君の元を離れ、私は女の子達の輪の中にいる海司のところへ行った。


「花音、ちょっといい?」


私の声に、びっくりする海司。


「なに?」


「いいから。ちょっと来てよ」


きょとんとする唯達を尻目に、私は海司を佐野君のところへ連れて行った。


「恵介。さっき話してた竜のゲーム。

花音は詳しいよー。

多分もう攻略してんじゃないかなー。聞いてみたら?」


「「えっ?」」


同時に声を出す佐野君と海司。


「そうなの?美倉さん」


佐野君が、目を見開く。


意外だろうね。


女の子がするようなゲームじゃないから。


「なに?竜のゲームって。オンラインのやつ?」


海司が佐野君に問いかける。


「うん。そう」


「あーあれならもう解いたよ」


ニヤリと笑う海司。


「まじで?美倉さん。教えてよ」


身を乗り出す佐野君。


「いいよー」


そう言って二人は仲良く話し始めた。


しめしめ。


このスキに~。