次の日、私は自分の家へ向かった。


「いらっしゃい、海司君。

退院できて、本当に良かったわね」


お母さん。


私だよー。


花音だよー。


「花音に用事かしら?」


「あ、はい」


「どうぞ、あがって」


「お邪魔します」


自分の家なのに変な感じ。


そんなことを思いながら靴を脱いで、自分の部屋の扉を開けた。


「え…?」


な、なにここ?


ここ、本当に私の部屋?


「どーしたんだよ。キョロキョロして」


本を読んでいた海司が、顔を上げて私に問いかけた。


「だ、だって!すごく綺麗に片付いてる」


「当たり前だろ?綺麗にしたんだよ。

あの汚い部屋じゃ、とてもじゃないけど耐えられないからな」


気になって、クローゼットも開けてみる。


「ちょっ、何これ?

この服どーしたの?」


「姉貴のだよ。総入れ替えしたから」


「私の服は?」


「全部捨てた」


「はぁぁ~っ?」


「サイズが合わなくなったんだよ」


「え…」


この前は気が動転していてよく見てなかったけど、私になった海司はすごく痩せている。


しかも、なんか綺麗になっているし。


これが私?


「どうした?」


「だ、だって、私なのに私じゃないみたい。私ってこんなに可愛かったっけ?」


「絞ったからな。今47kgをキープしてる」


「よ、47kg?」


「魂が入れ替わると、肉体も変わるってことだろ」


「なんか髪型もいいし。メイクもしてるね」


「しっかりマスターしたからな」


「すごいね、海司」


はぁー。


本当にビックリだ。