「俺達、二人で事故に遭ったんだ。二人とも気を失って、この病院に運ばれたんだ。

俺はわりとすぐに目が覚めたんだけど。

目覚めた時には、俺は花音の姿になってた」


「えぇっ?じゃあ私達、身体が入れ替わったってこと?」


「あぁ…。なんでかわからないけどな……」


さすがに花音はショックを受けているようだ。


「私達…、元に戻れるの……?」


「わからない…。でも、しばらくこの姿で生きてくしかないんだよ。

俺はもう2ヶ月も、この姿でお前として生活したよ」


無理矢理だったけど、この状態を受け入れたんだ……。


「2ヶ月?そんなに私、眠ってたの?」


「……うん」


「あぁ、もう…どうしたらいいのよ…」


花音は絶望に近い顔をして、また頭を抱え込んだ。


「とにかく、しばらく俺として生きてよ。戻る方法はきっとあると思う。それまではなんとか頑張ろう」


「海司…」


「隣に住んでるんだし、いつでも何でも聞いてくれよ。な」


「ん…」


花音はふぅと、深いため息をついた。