Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

「私はこっち方面だから、ここからバスに乗るわね」


自宅が反対方向の恵介とは、このバス停でお別れだ。


「ねぇ、美倉さん」


「なに?」


「なんか、美倉さんて話しやすい」


「えっ?」


「自然に話せて、すごく楽しかった」


「あー…」


そりゃそうだ。


俺とお前は一年の頃からずっと仲良しなんだから。


「あっ、そうだ!

美倉さんって、部活とかしてないんでしょ?」


「うん。してないけど?」


「もし良かったらさ、サッカー部のマネージャーにならない?」


「は?」


「マネージャーがさ、うちの部員と付き合ってたんだけど、最近別れて辞めちゃったんだ」


あーアイツらか。


派手なカップルだったから、興味のない俺でも付き合っていたのは知っている。


へぇ…。


あの二人、別れたんだ。


「マネージャーを探してたんだ。美倉さん、お願い出来ないかな?」


「えぇっ?」


け、恵介。


俺は男なんだが…。


「お願いっ」


手を合わせて、そんなに可愛くお願いされると困る。


俺は以前から恵介の押しには弱いんだ。


「わ、わかったわ…」


「ホントに?じゃあ期末試験が終わったら、すぐに入部の手続きをしようね」


嬉しそうに笑いやがって。


まぁ俺も、お前と一緒にいられるからいいか。