窓全開の廊下は、日が当たらないせいか涼しい。


風が吹き抜けて、スカートの裾がユラユラと揺れる。


圭吾は花音に何の用事があるんだろう?


「美倉さん。あれから海司の様子、どうなった?」


あぁ、俺の事か。


そりゃまぁそうだよな。


「一般病棟には移ったんだけど、まだ眠ったままよ」


「そう…」


寂しそうにうつむく恵介。


俺はここにいるんだけどな。


って、気づくわけないか。


「海司のお見舞いって、次はいつ行くの?」


「毎日行ってるわよ」


自分の身体が心配だから、毎日見ないと気がすまないんだ。


「ホントに?

あの、今日俺も一緒に行っていいかな?」


「え…?」


そんなの、もちろん!


いいに決まってる。


「いいよ。一緒に行こう」


こうして花音の姿の俺と恵介は、一緒に俺の見舞いに行く事になったのだった。