Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

「なんか俺、つくづく幸せ者だよな。こんな良い彼女と付き合えて」


「そ、それは海司。褒め過ぎだよ」


「いや、ほんとだって。

顔は可愛いしスタイルは良いし、性格も申し分ないし。

しかも頑張り屋でさ。

誰がどう見たって完璧な彼女じゃん」


実際友達にも言われるんだよな。


立花の彼女は完璧だねって。


「完璧?」


「そう、完璧」


「完璧……」


なぜか急に立ち止まって、首を傾げている花音。


俺もつられて、その場に足を止めた。


「ねぇ、海司」


「ん?」


「前にさ、私が海司に“どんな女の子が好みなの?”って聞いたの覚えてない?」


「あぁ、そう言えば、そんなことを聞かれたような気がする。

俺、なんて答えたっけ?」


すっかり忘れちゃった。


「その時、海司こう言ったのよ。

“完璧な女”って」


「完璧~? 俺、そんなこと言ったのか?」


「言った言った!

私その時に思ったもん。そんな子いるわけないじゃんって…」


確かに俺、何てことを言ってたんだろう。


人に完璧を求めるなんて、どんだけ偉そうなんだろう。


って…。


「ん?」


「どうかしたの?」


「いや、俺…。


ちゃんと手に入れてるじゃん。





完璧な女を……!」