「立花先輩!お久しぶりっす」


「おう、久しぶり」


「もう身体は大丈夫なんですか?」


「んー、さすがに1ヶ月半以上も休んだから、まだ本調子じゃねーけど。

少しずつ身体を慣らしていくつもりだ」


落ちた体重を少しずつ戻して、体力を付けていかないとな。


新入生も入るだろうし、最後の試合に向けて気を引き締めないとな。


「おーい、海司」


「おう、恵介」


恵介は俺に近づいて来ると、俺にパンッとハイタッチをした。


「やっと部活に出て来れたね。ずっと待ってたよ」


「心配かけてごめんな。これからはケガにも気をつけるから」


「あんな事故があったのに、サッカー続けてくれてすげー嬉しいよ。

俺さ、てっきり海司は部活を辞めるのかと思ってたから」


「辞めねーよ、俺は。

恵介と一緒に部活したいし。それに…」


「それに?」


コテンと首を傾げる恵介を見ながら、俺はニコッと笑った。


「俺…、いつでも花音のそばにいたいからさ」


「えっ、ちょっ!か、海司ってそういうこと言うキャラだったっけ?」


俺の言葉になぜか顔を赤らめる恵介。


「いやまぁ、なんつーかさ。マネージャーをやってる花音が心配なんだよ」


アイツ、ほんっと不器用だし。


それより何より、もっと心配なのが……。