「もーう、むちゃくちゃ心配してたんだよー。

立花君、サッカーの試合で倒れて入院になって。

結局3月は学校に来なかったでしょう?

どうなるんだろうって思って」


「あぁ…。目が覚めたのが春休みになる少し前だったんだ。

退院したのは春休みに入ってからだったから、学校には来られなかった」


「学期末試験も受けてないんでしょう?どうなったの?」


「春休み中に受けさせてもらえたんだ。もし受けれなかったら、もう一回2年の校舎に行くところだったよ」


もし目が覚めるのがあと少し遅かったら、俺は留年するところだった。


ギリギリだったけど、試験が受けられて良かった。


良い成績も残せたから、ちゃんと3年生に進級出来た。


「あっ、そうだ。花音から聞いたよ。

立花君と花音、付き合い始めたんだってね」


「あー、うん…」


そう。


俺と花音は、やっと両思いになって。


ただのお隣さんじゃなく、彼氏彼女として付き合うことになったんだ。


春休みは、花音が部活で忙しそうであんまり会えなかったけど。


俺と花音の部屋は、壁一枚隔てているだけだし。


アイツの気配をいつだって感じていられるから、そんなに寂しいとは思わなかった。