前半は結局、0対0のままで終了になった。


「マネージャーさん、タオルー」


「マネージャーさーん、ドリンクくださーい」


「足ケガしたー。マネージャーさん手当てお願い」


「はいはいー」


事前に聞いてはいたけれど、ハーフタイムは大忙しだ。


この時間は、後半の試合の作戦を練ったりもするんだよね。


「海司、しっかり水分とれよ」


「あぁ」


恵介君に言われて、海司が水筒を口へと運ぶ。


「肩で息してるけど、大丈夫か?」


「大丈夫。15分で回復させる」


そう言ってタオルで汗を拭う海司。


なんだかつらそうだけど、大丈夫かな?


そうこうしているうちに、ハーフタイムはあっという間に終わってしまって、後半戦が始まった。


「いやー、それにしても立花先輩。初めての試合なのに良い動きをしてますよね。

なんか毎晩遅くまで、僕らの過去の試合の映像を観まくったらしいですよ。完璧主義の立花先輩らしいですね」


一年の部員が、感心したように言った。


「完璧主義?

そうじゃないわ」


「え?」


「海司はね、努力家なの」


誰よりも頑張り屋で。


何に対しても、手を抜けない人なの……。