冬の部活は、終わる頃にはいつも真っ暗。


ふと空を見上げると、綺麗な星空が広がっていた。


「俺の本気はさ、ずっと待つっていう意味だ」


「え…?」


「お前を恵介から奪うなんて言ったけど、そんなの多分無理だし。

奪ったところで、お前の気持ちが俺に向いてないんじゃ意味はないし」


「海司…」


「俺はさ、自分の気持ちをお前にも恵介にも包み隠さず正直に言えたから、かなりスッキリしたし、それで結構満足してるんだ。

だからさ、ずっと待つよ。

お前が振り向いてくれるまで。

多分俺は、ずっとお前が好きだと思うし。

いつまでだって待てると思う」


「そんな……」


海司、実はすごくモテるのに、私なんかを待つだなんてすごくもったいない。


「ふたりを心から応援は出来ないけど、だからって無理矢理引き裂いたりなんかするつもりはねぇから。

でも時々は、こうして俺とも会って欲しい。

そのための軽い勝負なら、やったっていいだろう?」


海司が優しい瞳で言うから、なんだか泣きそうになった。


「今月、試合があるんだろ?

なんか俺も出るらしいから。

今はそのために、ちゃんと身体を仕上げていくつもりだ。

サッカーは一人でやるんじゃないしな。

色々覚えることがあって、忙しくなるな」


そう話す海司の顔はキラキラしていて、なんだかやけに眩しいなって思った。