その後、海司は眉とアイメイクもしてくれた。
終始、海司は真剣な顔をしていて。
本当に海司は手が抜けない人だなあと、私は内心思っていた。
「じゃあ最後にグロスな。口、軽く閉じて」
言われるまま口を閉じると、海司が私の唇の中心にブラシをトンとのせた。
「ここも内側を一番濃くして、外側にいくにつれて薄くしていくんだ。
継ぎ足さなくていい。一回で充分」
「そうなの?私の友達、みんな何回か継ぎ足してるよ」
「しゃべんな。口閉じてろ」
「ん…」
「なんでもやり過ぎは禁物。ベタベタした唇は、男に敬遠されるぞ」
そうなんだ。
ナチュラルな方がいいんだね。
「最後は指で仕上げる」
そう言って、私の唇に親指で直接触れる海司。
その感触に、ドキッと心臓が跳ねた。
どうしよう。
こんなふうに優しく触れられると、身体中の全ての神経が唇に集中してしまう。
真剣な瞳で、私の唇を見つめている海司。
海司って間近で見ると、やっぱりすごく綺麗な顔。
この顔は入れ替わっている時に、鏡で何度も見たのに。
この距離で見ていると。
なんだか呼吸が、うまく出来ない。
あぁ、どうか。
海司にこの心臓の音が聞こえませんように……。
終始、海司は真剣な顔をしていて。
本当に海司は手が抜けない人だなあと、私は内心思っていた。
「じゃあ最後にグロスな。口、軽く閉じて」
言われるまま口を閉じると、海司が私の唇の中心にブラシをトンとのせた。
「ここも内側を一番濃くして、外側にいくにつれて薄くしていくんだ。
継ぎ足さなくていい。一回で充分」
「そうなの?私の友達、みんな何回か継ぎ足してるよ」
「しゃべんな。口閉じてろ」
「ん…」
「なんでもやり過ぎは禁物。ベタベタした唇は、男に敬遠されるぞ」
そうなんだ。
ナチュラルな方がいいんだね。
「最後は指で仕上げる」
そう言って、私の唇に親指で直接触れる海司。
その感触に、ドキッと心臓が跳ねた。
どうしよう。
こんなふうに優しく触れられると、身体中の全ての神経が唇に集中してしまう。
真剣な瞳で、私の唇を見つめている海司。
海司って間近で見ると、やっぱりすごく綺麗な顔。
この顔は入れ替わっている時に、鏡で何度も見たのに。
この距離で見ていると。
なんだか呼吸が、うまく出来ない。
あぁ、どうか。
海司にこの心臓の音が聞こえませんように……。



