「確かに私は不器用なんだけどね…」
「ん?」
「でも…、一度引き受けたことを途中で投げ出すなんて、やっぱり良くないと思うの…」
「いや、それは俺が引き受けたことだから、お前に責任はないよ。
責められるとしたら俺なんだ。
花音は悪くない」
もし誰かが花音に何か言ってくるとしたら、俺が言い返してやるつもりだし。
「でも…、誰も私達が入れ替わっていたことなんて知らないのよ。
周りは、私がマネージャーを引き受けたと思っているわけで…」
「それはそうだけど、どうとでも言えるじゃん。
急に仕事がうまくこなせなくなったとか、なんとでも」
それは本当にそうなんだ。
ここまでひどければ、辞めることを承諾してもらえそうなモンだ。
「ねぇ、海司」
「ん?」
「私ね、こう言っちゃ何だけど。
これまでの人生で、何かを必死に頑張ったことってないの…」
「え…?」
「何かを成し遂げたこともなければ、何か形を残したことも一度もないの…」
「花音……」
「ん?」
「でも…、一度引き受けたことを途中で投げ出すなんて、やっぱり良くないと思うの…」
「いや、それは俺が引き受けたことだから、お前に責任はないよ。
責められるとしたら俺なんだ。
花音は悪くない」
もし誰かが花音に何か言ってくるとしたら、俺が言い返してやるつもりだし。
「でも…、誰も私達が入れ替わっていたことなんて知らないのよ。
周りは、私がマネージャーを引き受けたと思っているわけで…」
「それはそうだけど、どうとでも言えるじゃん。
急に仕事がうまくこなせなくなったとか、なんとでも」
それは本当にそうなんだ。
ここまでひどければ、辞めることを承諾してもらえそうなモンだ。
「ねぇ、海司」
「ん?」
「私ね、こう言っちゃ何だけど。
これまでの人生で、何かを必死に頑張ったことってないの…」
「え…?」
「何かを成し遂げたこともなければ、何か形を残したことも一度もないの…」
「花音……」



