Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記

フラフラした身体を引き摺って、なんとか家に辿り着いた俺は、帰るなりベッドに倒れ込んだ。


うつぶせのまま重くなった瞼を下ろすと、少し痛みが緩くなった気がした。


こうして目を閉じてじっとしていれば、そのうちおさまるかもしれない。


そう。


このまま静かに……。


ーと思っていたのに。


「花音ーっ。アンタ帰ってるなら、声くらいかけなさいよー」


ガチャンとドアを開ける大きな音と共に、花音の母ちゃんが甲高い声で部屋に飛び込んで来た。


あのー。すげーうるさいんですけど。


「あら、どうしたの?気分でも悪いの?」


俺の横に座る花音の母ちゃん。


その重みでベッドが傾いて、せっかくおさまっていた痛みがまたぶり返した。


「頭が痛いんだ」


「どれ?」


花音の母ちゃんが俺のおでこに触れ、反対の手で手首を掴んだ。


どうやら脈を測っているらしい。


「ちょっと体温が高いわね。熱があるのかも。多分風邪ね。

試験勉強を頑張りすぎたのよ」


別に頑張ってはいないんだけど…。


「あったかくして寝ておきなさい。風邪は寝るのが一番よ」


「うん…」


花音の母ちゃんは看護師のせいか、こういうことにあんまり動じない。


蒼太が風邪ひいた時も、基本放置だった。


こんな時は無理して食べなくていいって、水分だけしっかり摂らされていた。


俺の母さんは俺が風邪でもひこうものなら、リンゴを摺りおろして持って来たり、おかゆを作ってくれたり、至れり尽くせりなんだよな。


でも、今日はこっちの方がありがたい。


何も考えずに、じっと寝ていたいから……。