誘う前から諦めてる私。
かなりの意気地なし。
こういう時、本当に自分が嫌になる。
緋奈乃みたいに積極性があれば、誘うことだけならできたのかな…とか。
何でもかんでも他人と比較してしまうこの癖も、嫌になる。
私はこの嫌な気持ちを振り払うように首をブンブン振って、スマホを取り出す。
そして、蒼くんの連絡先を探した。
一番最後にメールしたのは、5日前。
そっか。最近はあまりメールしてなかったもんね。
《こんにちは(^O^)10月の第二土曜日、空いてる⁇》
多分、今頃部活してるから返信来ないかな。
そう思ってたけど、すぐに震えたスマホにビックリしてしまう。
スマホを開くと、そこには蒼くんからの返信が。
早っ!
《その日は午前で部活が終わる。午後なら空いてる!》
今日は部活ないのかな?と疑問に思っていると、またスマホが震えた。
しかも、蒼くんからの電話。
「私は気にせずにどーぞ」
緋奈乃は蒼くんからの電話と分かったのか、ふふっと意味あり気な表情を見せる。
私は緋奈乃に薄ら笑いを浮かべて、蒼くんからの電話に出た。
