コスプレ喫茶?メイド?ホスト?



…やだやだ。どれも気持ち悪い。



文化祭とかしたことないから、どんなものがあるのか分からない。



「真湖真湖。なにやりたい?」



隣の席の洸耶が、瞳をキラキラさせながら私を見る。



洸耶、こういう行事ごと、好きそうだもんね。



「私?別になんでもいいよ。無難のなら」

「はあ?無難なんてつまんねーよ!やっぱ盛り上がるのがいいよな」

「野球部は文化祭でなにかやるの?」

「その予定!まだ決まってないけど」



うーん…なにがいいんだろう。



考えても考えても出てくるのは、コスプレ喫茶、メイド、ホスト…だけ。



他になにがあるの⁉︎



「はいはーい!」



クラスに元気な声が響く。



まあそれは、もちろん緋奈乃の声。



「アイツ、どっからあんな声が出るんだよ」



洸耶も隣でククッと笑う。



いやいや…洸耶も十分元気だけどね?



「私、デザートいっぱい食べたいから、甘いものとか作りたい!」

「いや、それって山中が食べたいだけ…」

「いいじゃん!ねぇ?」



学級委員の言葉も遮るくらい、緋奈乃の元気は無限大。



さすがの学級委員も、苦笑いを浮かべる。



でも、いいかもしれない。



デザートなら私も作ったことあるし、女子にはかなりオススメだと思うけど。



「じゃあ、喫茶店とかでよくね?コーヒーとかも出せば」



緋奈乃の意見に洸耶が加わると、クラスメイトの反応はどんどん良くなる。



結局私たちのクラスは、喫茶店をやることになった。