水原くんから少し視線をずらすと、“園田洸耶”という名前があった。



あっ、洸耶だ。



そういえば、洸耶言ってたっけ。



水原くんと同じ中学だったって。



でも、話してるところとか見たことないから、仲良くないのかも。



洸耶も変わってないなぁ。



切れ長の目も、こんがり焼けた肌も。



やっぱり2年前だと、変わらないもんなのかな。



そして、木原さんもいた。



幼なじみだけじゃなくて、水原くんと同じクラスだったんだ。



木原さんは、みんなが満面の笑みで写真に写る中、木原さんだけは無表情。



唇はキュッと閉められていて、つまらなそうな表情をしている。



でも、木原さんは本当に美人だ。



女の私から見てもそう思う。



「…あっ」



木原さんから視線を逸らすと、何だか見たことがあるような女の子がいた。



思わず声を漏らしてしまう。



誰だろう…



…あっ、そうだ。写真。さっき見た写真!



水原くんと同じ色のハチマキを頭に巻いて、水原くんの隣で楽しそうに笑ってた女の子。



この子が、あの写真の女の子…



「この子…」



私はその子を指差す。



水原くんの反応を見ると、水原くんは少しだけ眉をピクッと動かした。



だけど、すぐにいつもの表情に戻す。