「うーん…どうだろ。まあ、アイツフレンドリーだから、中学の時も色んな女子に話しかけてた」
「祐介くん、一途になればもっとモテそうなのに」
性格も面白いし、野球も頑張ってるし。
ただ、女の子にだらしないところが、唯一の欠点かも。
「中3の時は、祐介くんと水原くん、クラス違かったんだね」
「まあな。俺は2組だったけど、授業中も祐介の声とかいつも聞こえたし」
「アイツうるせーから」と、水原くんは思い出すように笑う。
水原くんは2組か。じゃあ、次のページだ。
少しドキドキしながらページをめくると、すぐ目に入ったのは、やっぱり水原くんだった。
「あー…俺あんま見んな」
水原くんは少し顔を赤くして、自分の部分を隠そうとする。
「なんでー」
「いや、俺…今と全然違うから」
水原くんは手をどかすと、「笑うなよ」と、小さく呟いた。
水原くんは今と全然違うって言ったけど、全然変わってない。
黒髪で、やっぱり野球部が部活を引退したみたいに、上だけツンツン立ってるような髪型。
これを見ると、やっぱり野球やってたんだな、と思ってしまう。
笑顔も今みたいに、大きい目を細めて可愛く笑っていて。
確かに幼さ残ってるけど、やっぱりドキッとしてしまう。
「水原くん、変わらないね」
「はあ…つーか、俺の見せたんだから、今度お前ん家行ったら見せろよな」
今度私の家…
軽く私の家に来るって、約束してるよね。
なんて、私が期待してるだけかもしれないけど。
