卒業アルバムを指差しながら水原くんを見ると、水原くんはコップを置き、ゆっくり頷いた。



水原くんが中学の時の…かなり気になる。



「これ、見ていい?」



水原くんは少し悩むように顔を歪ませる。



やっぱり、嫌だよね。



私ももし、水原くんに卒業アルバム見せてって言われたら、迷うもん。



「まあ、いいよ」



断られる…と思ってたけど、意外な答えに私は目を見開いた。



「本当⁉︎やったー!」

「それくらいで喜ぶなよ。ガキだな」



ガキってなに。



私、ガキじゃないし。



でも、卒業アルバムを見るのは楽しみ。



中学の時の水原くん、どうなんだろう。




卒業アルバムを手に取り、一ページずつページをめくる。



3ページくらいめくった時に、3年1組のページになった。



そこには水原くんはいなかったけど、祐介くんがいた。



「えっ…祐介くんって、名字、室橋(ムロハシ)なんだ?」

「うん」



へえ…初めて知った。



中学の時の祐介くんは、今とあまり変わらない。



黒髪坊主で、無邪気なこの笑顔は今も継続中。



あっ、でも、今の方が少し髪の毛伸びてるかな?



「祐介くんって、中学の時から女遊びとかしてたの?」



今は女の子を取っ替え引っ替えしている祐介くん。



中学の時も、そうだったんかなぁ。