君に恋するその日まで

5時限目が始まるチャイムが鳴った。



私は教室に戻ることなく、屋上のフェンスに寄りかかりながら座っていた。



緋奈乃からラインがたくさんくる。



『何かされた?帰ってこないから心配です』

『真湖〜⁉︎返事くれ〜』

『今どこにいるの?』



授業中なのにラインくるってことは、緋奈乃お得意の授業中のスマホイジりをしているんだと思う。



私は既読もつけずに、スマホを屋上のアスファルトの上に置いた。



どうやったら、光先輩と別れることができるだろう。



最近、こんなことしか考えてない気がする。



何度『別れたい』と言ってきたんだろう。その度に何度頬を叩かれたか。



私は一生、あの人の隣にいないとダメな運命なのかな。



辛いなあ、それは。でも、そのうち慣れちゃうのかな。



慣れって怖いわ。



私は流れる雲を眺めながら、小さくため息をついた。



緋奈乃と吉春くんのふたりのような、幸せそうなカップルに憧れる。



中学3年の夏休み前に付き合い出したふたり。



元々、私と緋奈乃と吉春くんと吉春くんの友達。この4人で仲良かった。



そして、吉春くんが緋奈乃に想いを寄せていることは、見ているだけで分かったし、微笑ましかった。



緋奈乃は恋愛については素直じゃなくて、吉春くんのことが好きなのに“好きじゃない!”って言い張ってて。