シーンと静まり返る。



水原くんに好きな人がいる…



かなり心にダメージを受けてる。



もう、分からない。



水原くんのこと、好きなのかな?



でも、それもないんじゃないかって、自分で思ったりもする。



…あぁーもう分からない!



私は気を紛らわそうと、水原くんの散らかったテーブルを少しだけ触ってしまった。



その拍子に、テーブルの上の物が、少しだけ落ちてしまった。



あちゃー…やっちゃった。



落ちた物を拾おうとして手を伸ばそうとしたその時。



あるものに、目がいった。



なにこれ…写真?



ゆっくりその写真に手を近づけて、手に持つ。



見てもいいのかな…



そう思うけど、やっぱり気になる。



その写真を裏返すと、ふたりの男女が笑顔でピースしている写真だった。



この男の子…水原くんだ。



今より少しあどけなくて、髪の毛も今とは違って黒髪。



それに、野球部が引退したみたいに、上だけツンツンしてるような髪型だ。



じゃあ、この隣にいる女の子は?



木原さん、ではなさそう。



私も見たことない子だ。



小柄で、綺麗な黒髪をポニーテールにまとめていて、肌は真っ白で、目もクリクリで。



凄く女の子らしい子。



下の方に書いてある日付を見ると、“2012.09.23”と記されてあった。



2012年って…2年前だから、中3だ。



この写真の水原くんは、中3なんだ。