きっと、キラキラ輝いた笑顔で、野球やってたんだろうな。



私は高校の水原くんしか知らない。



中学の時、水原くんがどうやって過ごしたかなんて、分からない。



でも、少しでも水原くんに近寄りたい。



私、どんどん欲張りになってる…








洸耶は結局三振。その後のふたりも内野ゴロとフライで、すぐに交代になってしまった。



次は一回の裏。夕ヶ丘の攻撃だ。



あの夕ヶ丘だから、一気に点取っちゃうのかなぁ。



私はそう思ってたけど、思ってたよりも試合は動かない。



一人目は内野ゴロ。二人目は左中間のヒット。三人目は送りバント成功。



今はツーアウトと二塁。次のバッターは4番。



水原くんは真剣に試合を見ているから、話しかけずらい。



私はジッと水原くんの横顔を見つめる。



本当に綺麗な顔立ちをしている。



肌なんかきめ細かくて、睫毛もきっと私より長い。



目も羨ましいくらいクリクリで大きいし、真っ黒な瞳は吸い込まれそうなくらい本当に真っ直ぐで。



ふわふわの茶色い髪の毛は、風によって気持ち良さそうに揺れている。



背も高くて、程よく筋肉もあって。



ドキドキする。



こんな近くに水原くんがいて、夏休みに野球まで誘われて。



夢じゃないのかなって思う。



でも、なんで水原くんは私を誘ったんだろう。



そう思ってると、水原くんがいきなり私に顔を向けた。



…ヤバイ。ずっと見てたこと、バレた。



水原くんは、怪訝そうに眉を寄せる。