やっぱり男の人に抱きしめられると、胸が激しく音をたてる。



しかも、蒼くんの心臓の音も早くて…ますますドキっとしてしまう。



「俺のことも…考えてよ。水原だけじゃなくて」



ああ、これが水原くんだったら…って考えてしまう私は、やっぱり最低だと思う。



蒼くんの気持ちは痛いほど伝わる。



でも、こういう時も、頭に浮かぶのは、水原くんなんだ。



蒼くんは私を離すと、また爽やかな笑顔を向ける。



「じゃあ、帰るか」



その後の帰り道は、いつもの蒼くんだった。



何でそんな平然としていられるの?



私なんか、まだドキドキしてるのに。



蒼くんは家まで送ってくれた。



そして、最後に連絡先を交換して、蒼くんと別れた。