蒼くんは、最初のイメージと少し違う。



確かに爽やかだけど、照れ屋で、だけど、想いが真っ直ぐで。



私も真剣に考えないと…そう思った。



「あれ、お前らいい雰囲気だな?」



蒼くんの隣に座る吉春くんが、頬杖をつきながら、私と蒼くんを交互に見る。



緋奈乃も私の脇腹を突ついてくるから、思わず体をずらす。



「ははっ!俺、真湖ちゃんに告ったし」



えっ、蒼くん、それ言っちゃうの⁉︎



「マジか!蒼、行動早いなー」

「真湖ちゃんのこと好きだから!でも、真湖ちゃん気になる奴いるっぽくてさ。手強い」



水原くんのこと…気になってるのかな。



私も分からない。



笑顔を見るとキュンとするし、ちょっとでも触られるとドキっとする。



でも、恋ってわけでは…ないような。



「真湖…気になる人って、もしかして、流矢くん?」



緋奈乃が私に顔を近づけて、眉を下げる。



その顔はなんだか、少し心配してるようで。



「いや、違う…ような、違くないような…」



なんで否定できないんだろう。



違うって、言えばいいだけなのに。



「そっか」



緋奈乃は少しだけ微笑む。



緋奈乃は、水原くんのなにかを知っていて、それを私に隠してる?



いや、でも、吉春くんが来る前に、何か教えようとしてたよね…



気になるけど、聞くのも怖い。



私は気にしてないフリをして、蒼くんを見た。



蒼くんも私の視線に気付いて、ニコッと笑う。



私もつられて、笑い返した。