緋奈乃の言う通り、顔立ちは整っていてかっこいい。



坊主頭で、肌も少し黒く、切れ長の目が男らしい。



マジマジと顔を見ていると、目が合った。



慌てて逸らそうとしたけど、ニコっと笑ってきたから、私もぎこちない笑顔を返す。



笑顔、爽やかだな…



「てか、真湖ちゃんめっちゃ久しぶりだよね。半年ぶりくらい?」



緋奈乃と話していた吉春くんが、私を見て懐かしそうに首を傾げる。



吉春くんはどちらかというと可愛い系の顔立ち。



中学の時、緋奈乃とまた付き合っていない時、緋奈乃が吉春くんに“リスみたい!”ってからかって、吉春くん顔を真っ赤にさせて怒ってたのを思い出す。



「そうだね。半年ぶりくらいだと思う」

「緋奈乃が迷惑かけでるでしょ?コイツ、うるさいからな」

「ちょっとー、吉春の方が狼みたいにうるさいじゃん」



リスの次は狼ですか。



てか、狼ってうるさいの?



「お前バカ?男はみんな狼なんだよ」

「あは!吉春も狼だもんね」



ハートが出てそうなくらいラブラブなふたり。



取り残されてるような気分になる。



苦笑いしながらふたりを見ていると、吉春くんはあっと両手を叩き、自分の隣を指差した。


「あっ、忘れてた。真湖ちゃん、コイツは…」

「立花蒼斗(タチバナアオト)っていいます。同じ高2。よろしく」



蒼斗くん…名前も凄く爽やかそう。



私も自己紹介をして、軽く握手。