「真湖、今日で彼氏できるかもね!」

「それはないかな。知り合って一日の人と付き合うとか何か嫌だし」



もっとその人のことを知ってから付き合うんだったら、いいかもしれないけど…



もしかしたら、その人が凄く性格悪くてチャラいとか、そんなんだったら嫌だ。



「でも、もし真湖が今日付き合ったら、ダブルデートできるじゃん!楽しみ楽しみ」



緋奈乃の脳内ではもう、私とその人が付き合う設定になってるみたい。



「付き合わないけどね」

「えー。あ、流矢くんがいるから?」



緋奈乃のその言葉に、飲んでいたジュースを喉に詰まらせた。



私がむせている目の前で、緋奈乃はニコニコと笑っている。



「最近仲良いよね、真湖と流矢くん。祐介も言ってたよ?お似合いだって」



私と水原くんがお似合い、ねえ…



素直に嬉しい。けど、お似合いではないと思う。



水原くんは、全校の女子が夢中になるような容姿に対して、私の容姿は平々凡々だし。



「それに、連絡先も交換したんでしょ?」

「まあ…」

「それ、凄いことだよ⁉︎あの流矢くんの連絡先ゲットできるとか!」



実を言うと、水原くんとは連絡先を交換しただけで、メールや電話なんてしていない。



私もした方がいいのかな?って思うんだけど、話題もないし、する必要性もないし、何より勇気かないし…



そんなこんなで、連絡先を持っていても、活用できていない。



水原くんもしてこないから、何で連絡先交換したんだろう?と疑問になる。