「彼氏じゃないし。緋奈乃と遊ぶの!もう、邪魔だから出てってよ」



まあ、実際男の子と会うんだけど…



「はいはい。じゃあデート楽しみな」

「だからデートじゃないから」



お兄ちゃん、何で私の部屋に入ってきたの⁉︎



時間の無駄なんだけど…



こういう時、お姉ちゃんが欲しいと思う。



服とか選んでくれるし、お兄ちゃんと喧嘩しても冷静に止めてくれるし。



結局私は水色のワンピースという、無難な格好になってしまった。



軽くメイクをして、朝食を食べずに家を出る。



集合場所のファミレスに行くと、そこにはもう緋奈乃が来ていた。



「あっ、真湖!遅い!」



スマホをイジっていた緋奈乃が、顔を上げて笑いながら言う。



私は緋奈乃の向かいに座った。



「吉春、2時に部活終わるんだって。だから、それまで話して待ってよ」



2時って…今10時だから、あと4時間か。



2時まで緋奈乃のジュースを飲みながら、色んな話をした。



「でさ、お兄ちゃんが勝手に部屋に入ってきて。本当迷惑だよ」

「えー、いいじゃん!真湖のお兄ちゃん、イケメンだし」

「どこが」



緋奈乃と何時間話していても、話題が尽きない。



時計を見ると、あっという間に2時になっていた。



「あ、吉春部活終わったって。着替えとかあるから、あと30分後には来れるかもだって」



何か…今頃になって緊張してきた。



吉春くんの部活仲間なんだよね。どんな人なんだろう?



緋奈乃曰く、イケメンで面白くてモテる!とか言ってたけど…



私は別にそこまで求めてないし。束縛しない人なら、誰でもいい。



光先輩みたいな人は、お断りだ。