光先輩と別れて、一週間が経った。
光先輩と別れてからは、気にせずに男友達とも話せるようになったし、気が楽になった。
あの日から水原くんともちょくちょく話す。
でも、クラスが違うから、そこまで話すわけでもない。
光先輩と別れて、悩みもなくなったと思ってたのに…
ーー『唯香、いじめられてんの。俺のせいで』
水原くんが悲しそうに言ったこの言葉が、離れない。
最近はこのことで、悩みまくっている。
まさか隣のA組で、こんなに酷いいじめが行われてるなんて知らなかった。
「真湖、元気ないけど。どした?」
私が相当浮かない顔をしていたのか、緋奈乃が私の顔を覗き込んできた。
そうだった。今は授業中。
といっても、体育だけどね。
今は体育の時間。だから、A組とも合同。
目の前ではA組とB組の男子が、楽しそうにバスケの試合をしている。
女子もさっきまで試合をしてたんだけど、気付いたら男子の試合をみんなが見出して。
試合どころじゃなくなってしまった。
「いやー、それにしても流矢くんかっこいいわ」
緋奈乃はあの日以来、水原くんの虜になってしまったらしい。
吉春くんは?と聞くと、流矢くんはアイドル感覚!と言い張るし。
まあ実際、吉春くんのことを溺愛してるけどね。
「周りもみんなA組応援してるし。流矢くんパワー偉大すぎ!」
緋奈乃が言うとおり、私と同じクラスの女子も、みんなA組を応援している。
もちろん、水原くんがいるからであって。
B組の男子は、不満そうに女子を見ている。