君に恋するその日まで

水原流矢(ミズハラリュウヤ)くん。私と同じ、高校2年生。



彼、水原くんは、簡単に言うとモテる。



女の子の好きそうなルックスに、明るくて面白くて親しみやすい性格、笑うと可愛くなる笑顔。



水原くんを狙う女の子なんて、数え切れないほどいる。



私は水原くんのことを、好きなわけではない。



ただ、気になるだけ。別にそこに深い意味はない。



私はチラリとまた中庭にいる水原くんを見る。



変わらないあの笑顔。いつもと同じ、あの笑顔。



茶色いフワフワの髪の毛。その前髪から覗く大きな目が、笑うとキュっと細められる。



何でだろう。



好きではないのに、水原くんの笑顔を見ると、胸がザワザワと音を立てる。



水原くんがたくさんの女の子に囲まれているところを見ても、何とも思わないのに。



好きではない。でも、水原くんの笑顔は好き。



だけど、たまに見せる悲しみを包んだ瞳が、気になる。



「ほら、また流矢くん見つめちゃって〜」



緋奈乃に一回からかわれると、長引くから嫌だ。



もう否定しても無理だな、と思い、私は視線を自分のお弁当箱に移す。



何も入ってない。あれ、いつ食べ終えたんだ、私。