君に恋するその日まで

そうなんだ。



風凪高校は、体育は2クラス合同で行われる。



私はB組だから、A組と。



今思えば、体育は水原くんや祐介くんと同じだったんだ。



「笹倉って運動音痴そうだよな。今度から見とこ」



水原くんにいきなり“笹倉”って呼ばれたから、一瞬ドキッとする。



てか、運動音痴そうって…見た目で判断するなっつーの。



「運動音痴って何?私、これでも運動できる方だよ」

「そうなんだよね。真湖、実はかなり運動できるよ。勉強はできないけど」



ちょっと緋奈乃!それフォローになってないし。最後の一言いらない!



「中学の時、何部だった?」



祐介くんが、興味津々に聞いてくる。



「いや、運動部じゃないよ。吹奏楽部」



楽しかったなあ、部活。



緋奈乃も吹奏楽部で、私がトランペットで緋奈乃がフルート。



小さいけど、高くて迫力のある音が出るトランペットが、私は大好きだった。



高校でも続ける予定だったんだけど、風凪高校は進学校。



とてもじゃないけど、勉強と部活が両立できなかった私は、高校では部活に入らなかった。



それに、緋奈乃も入らなかったし、緋奈乃がいないんじゃ、つまらないから。



「ちなみに、私がフルートで、真湖がトランペットだったの」

「…トランペット?」



緋奈乃の言葉に少しだけ反応した水原くん。



私に視線を移すと、首を傾げた。



「笹倉トランペットなんだ。うん、なんかイメージ合う」

「水原くん、トランペット知ってるの?」

「うん」



驚いた。



いつも私の男友達は、トランペットって言うと、トロンボーンの動作をしたり、フルートみたいに横笛の動作をしたりするもんだから、トランペットを知っている男子を、初めて見た気がする。



トランペットは、知られてるようで知られてなくて。それがもの凄く悔しかった。



だから、水原くんがトランペットを知ってるのが、たまらなく嬉しい。