君に恋するその日まで

私の疑問が分かったのか、緋奈乃が話し出した。



「祐介とは中学の時から塾が同じなの。あと、中学の時吉春と同じ野球チームに入ってて、そこから仲良くなったの」



吉春くんが中学の時所属していた野球チームは、強くて有名だった。



吉春くんは部活に入らず、地元の硬式野球部に入った。



祐介くんも同じだったってことは、祐介くんも相当野球強かったんじゃ…?



「祐介も夕ヶ丘から推薦きてたんだけど、推薦蹴ってここにきたんだよ。バカだよね〜」



夕ヶ丘から推薦⁉︎



それってかなり凄いのに、何で蹴ったの?



「バカはねーだろ!俺、夕ヶ丘まで行って野球するつもり全くなかったから、蹴ったんだよ。好きで野球やってるだけだし、そこまで強くなりたくないっつーか…」

「ふーん…結構考えてたんだね。何かごめん」



緋奈乃が謝ると、祐介くんは「お前が謝るとか、気持ち悪っ!」と毒を吐きながら、緋奈乃の頭を叩く。



緋奈乃って本当フレンドリーだよね。



そう思いながらふたりを見ていると、祐介くんが私の方を見た。



そして、ハッとした顔になると、私に向かって勢い良く頭を下げた。



「な、何?」

「この間はごめん!軽い喧嘩だと思って、あんな軽く言っちゃって…」



祐介くんは鼻の頭をかきながら、視線を逸らす。



その様子を見て、本当に申し訳なく思ってるんだなと思ったら、不思議と笑みが零れた。



「大丈夫だよ。気にしてないから」

「ごめん真湖ちゃん!流矢に昨日怒られてさ。そんな喧嘩じゃねーよって」



水原くんが?



水原くんを見ると、少しだけ苦笑いしながら私を見ていた。



昨日、“祐介も悪気はない”って言ってたのに…



「水原くん、何か色々ありがとね」



そう頭を下げると、私の頭の上に何かが乗っかった。



頭を上げると、水原くんが無表情のまま、私の頭の上に手をポンと置いていた。