君に恋するその日まで

緋奈乃が光先輩の過去のことを愚痴愚痴言っていた時、友達と話していた洸耶が私のところに来た。



洸耶にも、昨日本当に迷惑かけたからな。



「うん、今さっきね!」

「マジか!良かったな」



洸耶は安心したように、ニッと笑う。



「洸耶、昨日はごめんね。怪我なかった?」

「おー。ただ尻もちついただけだし」

「え、何何?何があったの?」



緋奈乃が興味津々に、洸耶に詰め寄る。



洸耶は少し顔を引きつらせた後、緋奈乃の頭をグイっと押した。



「緋奈乃は一回聞くとしつこいからなー」

「はあ?洸耶に言われたくないし」



このふたりも仲良いんだけど、いっつもこうやって喧嘩になるんだよね。



私の予想だけど、洸耶は緋奈乃のことが好きだったりして。分からないけど。



でも、洸耶も緋奈乃に吉春くんという彼氏がいることを知っているし。それはないかな?



「だから、昨日俺が真湖を背中に隠したらあの先輩に押されて尻もちついただけだっつってるだろ!」

「え?ごめん、意味分からない」

「お前なあ、理解力なさすぎなんだよ!」

「洸耶の説明力がないんだよ!」



ふたりはまだ言い合っていて、私は思わず笑ってしまった。



光先輩と別れただけで、こんなに笑えるようになるって、凄い。



「でもさ、不思議だよね。あんなに束縛してた人が、何でいきなり別れ話したんだろ?」



緋奈乃が首を傾げて、洸耶から私に視線を移す。



洸耶も疑問なのか、首を傾げる。



それはきっと…水原くんだよね。



水原くんが、光先輩に何かしたんだと思う。