君に恋するその日まで

「先輩も、心狭いですよね。男友達とも話しちゃいけないとか、笑える」

「お前バカにしてんのか⁉︎ぶん殴るぞ⁉︎」

「ぶん殴るって。どうせ口だけ。本当は殴れないくせに」



水原くんはバカにしたように笑うと、ゆっくりと立ち上がり、私の目の前に来た。



そして、私を見て、ふわりと笑う。



その可愛い笑顔を直視できなくて、俯いてしまう。



「俺、先輩の秘密知ってるよ。バラしてもいい?」



水原くんがそう言うと、光先輩は悔しそうに唇を噛みしめる。



「先輩って弱いよな。強がっといて、こんなことで怯むし」

「…覚えてろよお前…」



光先輩は私の腕から手を離すと、振り向くことなく屋上から去っていった。



…何が起こったんだろう。



いつもは怖い光先輩が、水原くんが言った秘密だけで、あんなに怯えていた。



秘密って、何?



「大丈夫?腕、めっちゃ赤い」



目の前にいる水原くんが、私の腕を優しく掴む。



光先輩に掴まれていた腕は真っ赤で、触ると痛くなる。



「頬も赤いし。昨日、派手に叩かれてたもんな」

「昨日…?」



あっ…中庭。



そうだ。昨日、光先輩に叩かれたところを、見られてたんだ。



「祐介がなんか軽く言っててごめん。アイツも悪気ないから、気にしないで」

「うん。確かにムカついたけど」



水原くんは私から手を離すと、優しい瞳で私を見る。



「昨日。中庭から叩かれてんの見て、やべーなって思って。今日の昼休みからずっと屋上にいた」