私に話?
私に話すことなんて、あるのかなぁ。
「今から空いてる?」
「うん。でも、なんで私?水原くんと洸耶じゃなくて?」
言った後に、しまったと気付く。
だけど、八神さんは少し驚いた表情をして、すぐにクスッと笑った。
「あはは。真湖ちゃんって、素直だよね。流矢と洸耶じゃなくて、本当に真湖ちゃんに話があって」
「ご、ごめんね。うん、分かった」
「じゃあ、ファミレスでも行こっか」
なんか、もの凄い違和感。
あの八神さんと、こうやって歩いてるって。
それにしても、小柄な人。
私は160あるけど、八神さんは…ざっと見た感じ、150もなさそう。
水原くんは、こういう女の子らしい子が好きなのかな。
だとしたら、私は正反対だ。
私なんて、女のコらしさのかけらもないし、どちらかというと、見た目はキツイ方だと思う。
でも、八神さんは、癒し系の子。
ダメだ。正反対すぎる。
考えれば考えるほど、だんだん虚しくなってきた。
ファミレスに着き、4人がけのテーブルに、ふたりで座る。
目の前には、メニューを見る八神さん。
なんだろう…食欲がわかない。
お昼も食べてないのに、さすがにやばいよね。
「カフェオレと、バニラアイスと、チョコバナナパフェひとつで」
八神さんが注文の品を店員さんに言う。
…って、そんなに食べるの?
見た目華奢なのに、そんなデザートが入る胃袋を持ってるんだ。
意外。
「私は…オレンジジュースで」
恥ずかしい。
私、コーヒーとかカフェオレとか、大人の味が嫌いなんだよね。
いつも、オレンジジュースとか、メロンソーダとか、子供っぽいものばかり頼んでる。
でも、八神さんは、大人だ。
