「イライラしてる原因は、クリームパンが売り切れてたから?」
私が笑うと、緋奈乃はギロっと睨んでくる。
怖っ。
「それもあるけど!でも、私は真湖にイライラしてるの!」
えっ?
私?
「最近どーも真湖の様子がおかしいって思ってたけど、アンタ、流矢くんと何かあったって?」
緋奈乃の口調がいつもより怖い。
それに、表情も全体的に釣り上がってるし…
「なんで言ってくんなかったの!?さっき流矢くんと会って、初めて知ったんだけど?」
「水原くんに会ったの?」
「学習でね。祐介もいたけど」
…ついて行かなくてよかった。
ホッと胸をおろしていると、緋奈乃に見破られ、肩をバシッと叩かれた。
「流矢くんが言ってたよ?最近笹倉元気?って。だから、会ってないの?って聞いたら、黙り込むからさぁ」
「そっか…」
「なにがあったの?そういえば、確かに最近、話してないよね。それに、真湖やけに廊下出たがらないし」
緋奈乃はため息をつく。
そんな緋奈乃を見て、私は口を開いた。
「…祐介くんが言ってたじゃん?水原くんが、私の笑顔と八神さんの笑顔が似てるって言ってたって。
そしたら、水原くんに言われたの。
私の笑顔が好きだって。
それ聞いたら、私と八神さんを重ねてるのかなって思ったら、やけになっちゃって、まあ…気まずくなったっていうか…」
緋奈乃の顔が、どんどん怖くなる。
そんな緋奈乃を見ていられなくて、私は咄嗟に顔を俯かせた。
