君に恋するその日まで

「…あっ、真湖には彼氏いたよな。先輩で」



洸耶は眉を下げて苦笑いする。



洸耶は事情を知っているから、きっと遠慮しているんだ。



何か、周りにまで迷惑かけてる私。本当に申し訳なくなる。



緋奈乃にも、洸耶にも。



「頬赤いな。また暴力?」

「暴力って言うんかな…まあ、昨日叩かれて」

「何かあったら言えよ?友達なんだし」



洸耶は優しく微笑んで、私の髪をクシャっとさせる。



髪の毛がボサボサになり、洸耶はそれを見て笑う。



本当、意地悪なんだから。



「真湖!お前何やってんだよ!」



その時、後ろから聞こえた声に、体が震えた。



最悪。よりによって、洸耶といる時に。



洸耶も目を見開いた後、私の腕を引っ張った。



私は洸耶の背中に隠れるように、体を縮ませる。



「てめー、まだ凝りねぇのか⁉︎新しい彼氏かよ⁉︎」



怖いくらい低い声で怒声をあげる光先輩。



洸耶は私を安心させるように、振り向いて笑顔を向けると、光先輩と向き合った。



「そろそろ真湖を解放してやってもいいんじゃないですか?大事な彼女傷つけて、何が楽しいんですか」



いつもヤンチャな洸耶があまりにも真剣な声を出すから、少しだけドキっとする。



光先輩はゆっくり私たちに近づいて来て、その度に私の心臓は嫌な風に早まる。



「お前真湖の何なんだよ⁉︎彼氏は俺だぞ⁉︎」

「友達です。でも、俺の大事な友達がこんなに怯えてんの、見てらんない」



洸耶がそう言った瞬間、光先輩の目が変わった。



まるで、何かが壊れたみたいに。



光先輩は洸耶を突き飛ばすと、私の腕をもの凄い力で掴む。



洸耶は痛そうに顔を歪める。