君に恋するその日まで


ピンク色のぷっくりした唇の萌。



少し赤みを帯びていて薄い唇の笹倉。



少し丸顔な萌。



シュッとした輪郭の笹倉。



透き通るほど綺麗な肌の萌。



健康的な程よい白い肌の笹倉。



女にしては背が低い萌。



女にしては背が高い笹倉。



優柔不断な萌。



すぐに決める笹倉。



マイペースな萌。



テキパキした笹倉。



女の子らしい萌。



サバサバした笹倉。



おしとやかに笑う萌。



豪快に笑う笹倉。



本当に全然違うふたり。



見た目も、中身も。全く違うのに。



笹倉の笑顔が、たまに萌に見えるんだ。



そして…



笹倉に、惹かれてる自分がいた。



でもやっぱり。



俺はまだ、萌のことが好きなのだろうか。










俺は萌の手を握って、屋上に連れてきた。



まさか、萌が俺の文化祭に来るとは思わなかった。



萌と会うのは、2年ぶり。



萌は、全然変わってない。



背も小さいなぁ。



笹倉が160くらいある分、萌が小さく見える。



「流矢、元気にしてた?」



屋上に入って、萌が笑顔で俺を見上げる。



この笑顔を見ると…



今度は笹倉を思い出す。