体育祭は、準優勝で終わった。
優勝は、結局祐介のクラス。
でも、今までで一番楽しい体育祭だった。
俺は洸耶と一緒に教室まで歩いていると、いきなり肩を叩かれた。
驚いて振り向くと、そこには笑顔の萌と、相変わらずムスッとした唯香が。
「流矢!今日撮った写真、現像して流矢にあげるね」
萌かあまりにも嬉しそうに笑うから、俺もつられて笑顔になってしまう。
でも、すぐに俺の気分は下がる。
萌は視線を俺の隣に変えて、さっきとは違う、少し照れたような笑顔を浮かべた。
「洸耶…明日休みじゃん?その、暇かなあって…」
俺は、叶わない恋をしている。
目の前で、俺の好きな人が、俺の友達に恋をしている。
そして、こんなにも。
女の表情を浮かべる。
俺は隣にいる、洸耶を見る。
洸耶は少しだけ頬を赤くして、萌から視線を逸らした。
「明日は、空いてるよ」
「本当!?良かったあ」
萌はさらに頬を緩める。
明日、萌と洸耶はふたりでどこに行くんだろう。
頭から離れない。
でも、俺は笑わないといけない。
俺は作り笑いで、洸耶の肩を叩いた。
