『流矢は完璧とか、そんなんじゃない!流矢だってみんなと同じで…欠点だってある!みんなと同じ、人間じゃん!』



目に涙を溜めてそう叫ぶ萌を見て…本当に嬉しかった。



俺のためにこんなこと言った女は。



萌が、初めてだった。



『…なんなの、うざっ』

『調子乗んなよ!』



さっきまで俺の話をしていた女が、口々に文句を言う。



でも萌は、そんなの気にしていないかのように、俺に笑顔を見せた。



『前にお母さんが言ってたの。人間は皆欠点があって、完璧な人なんていないって。でも、それは悪いことなんかじゃないよって』



俺の小学校の先生が言ってたことと同じだ…



『だから、さっきの聞いて、腹立ったの。流矢が他の子と違うって言われてるみたいで』



萌はふふっと笑った。



『私、流矢の欠点知ってるよ?流矢、授業中良くペン回ししてるじゃん?集中力ないでしょ?』



まあ、確かに集中力とか全くない。



『私、観察力凄いんだよ』



クスクス笑う萌を見て、ドキっとした。



今までに感じたことがないくらい、目を奪われた。



その日から俺は、萌と話すようになった。



それと同時に。



萌を、目で追うようになった。








そして、中2の体育祭。



俺の恋心が、現れた日。



『萌は、好きな人いるの?』



体育祭当日。



目の前では、障害物競争が繰り広げられている。



俺が出るのはリレーと騎馬戦。



俺は椅子に座って、隣にいる祐介と喋っていた。



そんな時に聞こえた、後ろに座る、萌と唯香の会話。



萌と唯香はいつの間にか仲良くなっていて、今ではいつも一緒にいる。