本当、萌と唯香はいつも一緒にいるよなぁ。



仲良すぎだっつーの。



唯香は俺の幼なじみ。



俺ん家の真っ正面の家の子で、小さい頃からずっと一緒。



クールで、中々の美人だと俺は思う。



でも、表現が苦手で、少し近寄り難いイメージを持たれがち。



でも、話せば面白いヤツなんだけど。



そんな唯香の唯一の友達であり、親友なのが、この萌。



萌はとにかく、天使みたいなヤツ。



見た目だけでなく、性格も。



そして俺は…萌が好き。



でも、この想いは、萌に伝わることもなければ、伝えることもないだろう。



だって…



「洸耶。今日はどんな練習したの?」



萌が、俺には見せないようなキラキラした笑顔を、洸耶に向ける。



洸耶も他の女には見せないような…優しい瞳を萌に向けていた。



そう。



俺のこの恋は、終わっている。



洸耶と萌は、両想いだから。



洸耶は毎日、俺に萌のことで相談をしてくる。



ーー萌ってモテるよなぁ

ーー萌にいつ告白しようかなぁ

ーー萌に彼氏できたらどうしよう



萌はモテるよ。



現に、俺だって萌が好きなんだから。



早く告れよ。



お前ら両想いなんだから。



萌にお前以外の彼氏はできねぇよ。



萌はお前が好きなんだから。



何度こう言おうとしたか。



何度、この言葉たちを抑えたか。