はあ?



「なんでA組?他のクラスでいいじゃん」

「さっき祐介たちが来たじゃん?あの時に来いって言われたの。約束は破れないでしょ」



まあ、さっき来てたけど…



私は、A組にはあまり行きたくない。



水原くんに会うからとか、そんなんじゃなくて。



…木原さん。



私は今まで、3度も木原さんのいじめを見ている。



もしかしたら、また見るんじゃないかって思うと…



私には何もできないし、無気力な自分を、痛感することになるから。



そんなの緋奈乃が知るはずもない。



私は仕方なく、緋奈乃の後をついて行った。



A組は、予想以上にかなり賑わっている。



それもそのはず。



水原くん効果が凄いらしく、水原くんを一目見ようと、たくさんの女の子が水原くんを囲んでいた。



「あっ、緋奈乃ちゃんと真湖ちゃん来たんだ」



後ろから祐介くんの声が聞こえて、私と緋奈乃で振り向く。



そこには、可愛らしいキリンの着ぐるみを着た祐介くんが…



「…あははっ!」



私と緋奈乃は、一斉に吹き出す。



祐介くん…似合わない!



いつもキリっと決めてるのに、可愛いキリンの着ぐるみは、祐介くんには似合わない!



ヤバイ。笑いが止まらない。



いつまでも爆笑している私たちを見て、祐介くんはムッと眉間にしわを寄せる。



「そんな笑うなよ!俺だってクジでこれになったんだからな!」



顔を真っ赤にして怒る祐介くん。



恥ずかしいから顔が赤いのか、怒ってるから顔が赤いのか。



分からないけど、本当に笑いが収まらない。



「あぁもうっ!なんでふたりとも来たんだよ!」

「はあ⁉︎アンタが来いっつったんでしょ‼︎」



でたでた。



緋奈乃と祐介くんの言い合いバトル。