「そのイケメンの名前なんだっけ?聞いたんだけど、ど忘れしちゃった」
「確か……あっ!水原流矢くんだよ!」
やっぱり水原くんか…
なんか、水原くんがこうやって女の子に騒がれるの聞くの、嫌だな。
水原くんがモテるのは分かるけど…
胸が、モヤモヤする。
私の気分が少し落ちてると、私の肩に緋奈乃の手が置かれた。
緋奈乃を見ると、ふふんと緋奈乃は鼻を高くして笑っている。
「実は真湖ちゃん、その水原流矢くんとお友達なのです」
…なにその喋り方。
てか、そんな自慢するような感じで言わないでよ!
それに、凄い視線感じるし…
顔を動かすと、私に羨ましいものを見るような瞳で、友達がみんな私を見ていて…
「真湖いいなー!えっ、どんな子なの⁉︎」
「本当にイケメンなの⁉︎」
「会いたいー!どこにいるの⁉︎」
一気に質問攻めされるから、私は椅子から立ち上がる。
「A組に行けば会えるから!」
私はそう言い残して、そそくさとその場を去った。
「やっと終わったぁー」
私は近くにあったテーブルに座り、ぐたーとテーブルに寝そべる。
私と緋奈乃は午前の部だから、もう終わり。
午後は自由だし、楽しまないと。
「あっ、吉春と蒼くん、2時くらいを目安に来るって。それまでA組行こ」
