私の成績でなんか入れるわけもなく。
とにかく、凄く頭の良い高校。
制服も今時の可愛いらしいブレザー。ではなく。
数十年前に遡ったような、真っ黒のブレザーに線の入った長いスカート。
校則ももの凄く厳しくて、肩より長い人は、一本縛りかふたつ縛りにしないといけないとか。
スマホ持ち込み禁止とか。
まるで、中学生と変わらない毎日を送っているような感じらしい。
「N女とか、私絶対行きたくない!」
緋奈乃が顔を引きつらせて、何回も首を横に振る。
「なんで?」
「だって、スカートも折れないしスマホも持ち込み禁止でしょ?私にはそんな我慢できない!」
あはは…確かに、緋奈乃には向いてない高校だな。
緋奈乃は毎日欠かさずキッチリメイクもしてくるし、髪型もアレンジしてるし。
スカートなんか、パンツ見えるよ⁉︎って思っちゃうくらい短いし。
授業中も授業聞いてない、ノートとってない。スマホをいじっている緋奈乃だし。
緋奈乃がN女なんか通ったら…
想像すらできないくらい、緋奈乃には向いてない高校だ。
「でも、私たち普通にスカート折ってるし、スマホも持って来てるよ。ねえ?」
ははっ!と大きな声で笑う友達。
「バレないの?」
私が苦笑いすると、友達は「まさか!」と声を大きくした。
「バレても怒られないよ。何気にN女もそこまで厳しくないから」
「へえー…」
「でも、N女だからの悩みはあるよ」
