「あれ、真湖と緋奈乃じゃん!」



緋奈乃と少し立ち話をしていると、中学の時同じクラスだった友達が、数人私のクラスに入ってきた。



まさかの久々の再会に、私も緋奈乃も驚いてしまう。



「おぉ、フウ達、相変わらず仲良いね」



緋奈乃はその子たちに紛れて、きゃっきゃと喜ぶ。



文化祭だもんね。



同じ中学の子とかも来るから、こうやって文化祭で再会するのは珍しくない。



「真湖と緋奈乃も相変わらず仲良いじゃーん」

「まあね!私たち、運命共同体ってやつだし?」



懐かしいなぁ。



中学の時の友達とこうやって会うと、やっぱり中学の時の思い出が蘇ってくる。



そういえば、修学旅行もこのメンバーだったっけ。



楽しかったな、修学旅行。



マクラ投げとかして。修学旅行気分気取ったりして。



「てか、こっち座りなよ」



緋奈乃が数人の友達を、一斉にテーブルに案内する。



みんなテーブルに座ると、くつろぐように背もたれに体を投げ出した。



「みんな今どこ通ってるの?」



私が首を傾げて聞くと、ひとりの子が笑って答えた。



「N女だよ〜」



えっ、N女⁉︎



緋奈乃も私と同じように、目を見開いている。



N女というのは、県内でトップの女子校。



私たちが通う風凪もそこそこ偏差値はいいけど、N女となんか比べものにすらならない。