「な、なに?」
あまりに可愛く笑うから、噛んでしまう。
「いや、なにって。いつも制服だから、そういう格好見ると見慣れないなぁって」
あっ…そういうことね。
なんだ。少し期待してた私が、恥ずかしい。
もしかしたら…
もしかしたらだけど。
“可愛い”って言われるんじゃないかって。期待してた自分が、恥ずかしい。
「水原くんのクラスは、なにやってるの?」
水原くん、スーツ着てるし。
「なんか、コスプレ喫茶だって。俺はクジでホストみたいな。この格好本当恥ずかしい」
水原くんは少し頬を赤くする。
ははっ。水原くんが照れてる。
何だか貴重で可愛い。
それに、コスプレ喫茶って…私がやりたくなかったやつ。
良かった。A組じゃなくて。
「水原くん似合ってるよ。女の子も喜ぶよ」
水原くんのファンの子、発狂するだろうなぁ。
私はふふっと笑みを零す。
そんな私を見て、水原くんは不機嫌そうな表情をした。
