私はその言葉が本当に嫌だった。
私はクールとか、大人びてるとか、そんなんじゃない。
ただ、感情を表情に出すのが、上手くできないだけなのに。
そんな時、ある友達が、こんなことを言った。
『真湖ちゃんって、氷姫みたい!だって、氷みたいに冷たいじゃん?』
その子は悪気はなかったんだと思うけど、私は凄く傷ついて。
でも、緋奈乃だけは、私の気持ちに気付いてくれた。
『真湖は氷みたいに冷たくなんかない!だって、心が凄く温かいもん!』
緋奈乃は、私の一番の理解者で、一番の親友なんだって、この時に良く思った。
受験モードになった時。
『真湖は高校どこ行くの?』
緋奈乃に聞かれたその質問に、私はもちろん、風凪高校と伝えた。
『奇遇じゃん!私も風凪なんだ〜』
緋奈乃は笑顔でそう言ったけど、私は知ってた。
頭が悪い緋奈乃が、風凪に行くために、毎日徹夜して勉強してたこと。
『緋奈乃、バカなのよ。いきなり志望校を風凪に変えて。頭悪いのに、毎日必死に勉強してるのよ。なんでかしらね』
緋奈乃のお母さんが、ある日私に言ってきた言葉。
緋奈乃は、本当に一生懸命な子なんだって、私が胸張って言える。
緋奈乃には、何度感謝すればいいか分からない。
普段は言えないけど。
私は本当に、緋奈乃に感謝してるんだ。
